2桁×2桁・3桁×2桁の掛け算の筆算|0がある時の書き方

机の上の方眼ノートと鉛筆を持つ子どもの手元と、2桁×2桁の掛け算の筆算を紹介する記事タイトル

当サイトは文部科学省の学習指導要領や国立教育政策研究所の調査など公的機関の情報と、教材・サービスの公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。教え方や書き方は学校・教科書によって違うことがあるため、学校で習った方法も大切にしてください。記事内には広告を含む場合があります。

2桁×1桁はできるようになったのに、2桁×2桁になったとたん答えが合わない。『2段目をずらすって、どういうこと?』と、子どもと一緒に首をかしげている方もいるはずです。

結論から言うと、掛け算の筆算2桁×2桁は「一の位でかける」「十の位でかけて1つ左にずらす」「2段を足す」の3段階です。

この記事では、2段目をずらす理由を分解の表で見せながら、3桁×2桁・3桁×3桁、0がある時の書き方まで例題で解いていきます。

目次

2桁×2桁の掛け算の筆算は「2回かけて、ずらして、足す」

先に結論

2けたをかけるかけ算の筆算は、2桁×1桁の筆算を2回して、最後に足し算をするだけです。2回目の答えは、1つ左にずらして書きます。新しく覚えることは「ずらす」と「足す」の2つです。

『2桁×1桁でも大変だったのに、もう一段増えるなんて』と不安になる方も多いですよね。

でも実は、1回ずつのかけ算はこれまでと同じです。違うのは、答えを2段に分けて書くところだけなんです。

2桁の掛け算の筆算のやり方
  1. かけられる数とかける数を、一の位をそろえて書く
  2. かける数の一の位を、上の数にかけて1段目に書く
  3. かける数の十の位を、上の数にかけて2段目に書く
  4. 2段目は、1段目より1つ左にずらして書き始める
  5. 1段目と2段目を、位をそろえて足す

例題1 23×45 を解いてみる

まずは基本の 23×45 です。

千の位百の位十の位一の位
23
×45
23×5115
23×492
答え1035
  1. 1段目:23×5 を計算します。3×5=15 で5を書いて1をメモ、2×5=10 にメモの1を足して11。1段目は115です。
  2. 2段目:23×4 を計算します。3×4=12 で2を書いて1をメモ、2×4=8 にメモの1を足して9。2段目は92を、1つ左にずらして書きます。
  3. 足し算:115と、ずらした92を足します。一の位は5、十の位は 1+2=3、百の位は 1+9=10 です。

答えは 23×45=1035 になります。

例題2 繰り上がりの多い 67×38

次は、繰り上がりが何度も出てくる問題です。二桁の掛け算の筆算に慣れてきたら挑戦してみてください。

千の位百の位十の位一の位
67
×38
67×8536
67×3201
答え2546
  1. 1段目:7×8=56 で6を書いて5をメモ。6×8=48 にメモの5を足して53。1段目は536です。
  2. 2段目:7×3=21 で1を書いて2をメモ。6×3=18 にメモの2を足して20。2段目は201を左にずらして書きます。
  3. 足し算:536と、ずらした201を足して 2546 です。

ここで困るのが、1段目のメモと2段目のメモがごちゃごちゃになることなんです。

よくある失敗
  • 1段目の繰り上がりメモを、2段目でも足してしまう
  • 2段目を左にずらし忘れて、一の位から書いてしまう
  • 最後の足し算で繰り上がりを忘れる

1段目が終わったら、メモに斜線を引いて消しておくと安心です。2段目のメモは、1段目と少し離れた場所に書くようにしてみてください。

掛け算の筆算2桁×2桁は何年生で習う?

学習指導要領(平成29年告示)では、2桁×2桁は3年生の内容です。原文は「2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算」で、その筆算の仕方も3年生で理解するとされています(文部科学省)。

「掛け算の筆算は4年生で習う」と思っている方もいますが、4年生の内容に整数のかけ算の筆算の新しい項目はありません。4年生では、計算のきまり(分配法則など)を学ぶ中で、かけ算の筆算の形を見直します。

補足

習う時期や順番は、教科書によって前後することがあります。2桁×1桁から復習したい時は掛け算の筆算のやり方|3年生で習う2桁×1桁からから読んでみてください。

なぜ2段目は1つ左にずらすの?分解して見ると分かる

2桁×2桁でいちばん多い質問が、この「なぜずらすの?」です。

『ずらすって覚えればいいのよ』と教えたくなりますが、理由が分かると、ずらし忘れがぐっと減ります。

ここが大事なところです

2段目は、かける数の「十の位」とのかけ算です。45の4は、本当は40のことなので、答えも十倍の大きさになります。十倍の数は、一の位に0がつく形になるので、1つ左にずれるんです。

23×45 を 23×40 と 23×5 に分けて並べる

文部科学省の解説でも、23×45 は 45 を 40+5 とみて、23×40 と 23×5 に分けて考える例が出てきます。

これを筆算の段と並べると、次のようになります。

筆算の段本当の意味式答え筆算での書き方
1段目23に5をかける23×5115一の位から書く
2段目23に40をかける23×40920一の位の0を省いて、92を1つ左から書く
答え2つを足す115+92010352段を足す

2段目の「92」は、本当は「920」なんです。一の位の0は書かなくても位が変わらないので、省いて1つ左から書いています。

掛け算の筆算の2段目を1つ左にずらす理由を、分けて計算した形と並べて示した図解

2段目に0を書いてもいい?

『0を書いておいた方が、ずらし忘れないのでは』と思う方もいますよね。

2段目の一の位に0を書いてから92を書くと、920が見た目でもはっきりします。ずらし忘れが多い時期には、分かりやすい方法です。

書き方2段目向いている時
0を省いてずらす92を1つ左から教科書でよく見られる書き方。慣れたらこちら
0を書いてから続ける920ずらし忘れが続く時の練習用

ただ、学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。テストで書き方を指定されることもあるので、家だけで別の形にそろえるのは避けた方が安心です。

「ずらす」を子どもに伝える声かけ

説明は短い方が伝わりやすいです。例えば、こんなふうに話してみてください。

「45の4は、本当はいくつのこと?」
「十の位だから、40かな」
「そう。だから答えも十のくらいから書き始めるんだよ」

位の名前と一緒に話すと、ずらす場所が「なんとなく」ではなく「十の位から」と分かるようになります。

3桁×2桁・3桁×3桁の掛け算の筆算

3桁になっても、流れは同じです。1回ずつのかけ算が1桁ぶん長くなるだけですよ。

先に結論

掛け算の筆算3桁×2桁は、2段を書いて足します。3桁×3桁は、3段を書いて足します。かける数の位が1つ上がるごとに、段も1つ左にずれます。

例題3 3桁×2桁の 243×36

千の位百の位十の位一の位
243
×36
243×61458
243×3729
答え8748
  1. 1段目:3×6=18、4×6=24 にメモの1を足して25、2×6=12 にメモの2を足して14。1段目は1458です。
  2. 2段目:3×3=9、4×3=12 で2を書いて1をメモ、2×3=6 にメモの1を足して7。2段目は729を左にずらします。
  3. 足し算:1458と、ずらした729を足して 8748 です。

最後の足し算では、十の位が 5+9=14 になるので、ここでも繰り上がりが出ます。

例題4 3桁×3桁の 123×321

学習指導要領の3年生の内容は「2位数や3位数に1位数や2位数をかける」までです。3桁×3桁は、同じ流れを1段増やしたものと考えてください。

万の位千の位百の位十の位一の位
123
×321
123×1123
123×2246
123×3369
答え39483

3段目は百の位とのかけ算なので、2つ左にずらして書きます。3段を足すと、123×321=39483 です。

3段になると、足し算の列がまっすぐそろっているかが大事になります。マス目のあるノートや、定規で引いた線があると書きやすいですよ。

何段書くかの早見表

かけ算の形段の数ずらす回数最後の足し算
2桁×1桁・3桁×1桁1段なしなし
2桁×2桁2段1回2段を足す
3桁×2桁2段1回2段を足す
3桁×3桁3段2回3段を足す

段の数は「かける数の桁の数」と同じになります。かける数が何桁かを先に数えておくと、書くスペースの見当もつきます。

0がある掛け算の筆算の書き方

ゼロ(0)がある掛け算の筆算は、書き方を知っているだけでぐっと楽になります。0の多い掛け算の筆算も、同じ考え方で解けます。

『0があると、どこに何を書けばいいか分からなくなる』という声もよく聞きますよね。

まずは、0がどこにあるかで分けてみましょう。

0の場所例題(答え)書き方のコツ間違えやすい所
かける数の一の位34×20(680)34×2 を計算して、最後に0をつける0の段を丸ごと書いて位がずれる
かけられる数の一の位230×14(3220)23×14 を計算して、最後に0をつける0を書き忘れる
かけられる数の途中306×24(7344)0×の答えにメモを足すメモの足し忘れ
両方の一の位50×40(2000)5×4 に、0を2つつける0を1つ忘れる
0がたくさん300×40(12000)3×4 に、0を3つつける0の数え間違い

この表は、筆算ドットコム編集部が0の位置ごとに書き方をまとめたものです。

0がある掛け算の筆算を、0の場所ごとに分けて書き方のコツを示した図解

かける数に0がある 34×20

かける数の一の位が0の時は、0を先に右へ出しておくと楽です。

百の位十の位一の位
34
×2(0)
答え680

34×2=68 を計算して、右はしに0をつけると 680 です。

0の段を「000」と書いてから2段目を書く方法でも、答えは同じになります。ただ、段が増えるぶん位がずれやすくなるので、慣れてきたら省く方法を試してみてください。

かけられる数の途中に0がある 306×24

千の位百の位十の位一の位
306
×24
306×41224
306×2612
答え7344

1段目は、6×4=24 で4を書いて2をメモ、0×4=0 にメモの2を足して2、3×4=12 です。1段目は1224になります。

2段目は 306×2=612 を1つ左にずらして書きます。足すと 306×24=7344 です。

0×4 の答えは0ですが、メモの2を足すのを忘れないようにしましょう。

両方に0がある 50×40

50×40 は、0を除いた 5×4=20 に、0を2つつけて 2000 です。

全国学力調査で見る「0のある掛け算」

国立教育政策研究所の全国学力・学習状況調査では、令和5年度 小学校算数 1(4) で 50×40 が出題されました。全国(公立)の正答率は80.9%で、「200」と答えた割合は14.8%でした。報告書では、一の位がともに0であることが正答率の低さの理由と考えられる、と分析されています。

0の数を数えてから答えを書く習慣をつけると、0を1つ落とすミスが減ります。

「0はいくつあった?」
「50に1つ、40に1つで2つ」

こうして声に出して数えるだけでも、効果がありますよ。

0がたくさんある 300×40

300×40 も同じです。3×4=12 を計算して、0を3つつけて 12000 です。

0がある問題で確かめたいこと
  • 0がどこにあるかを先に見つけたか
  • 一の位の0は、右に出してから計算したか
  • 途中の0のかけ算の後に、メモを足したか
  • 最後に、つけた0の数が合っているか

よくある相談:2桁の掛け算の筆算で多い悩み

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている質問から、2桁の掛け算の筆算に関するものを要約して紹介します。

相談1 2桁の掛け算の筆算の順番を詳しく知りたい

2桁の掛け算の筆算で、どの数とどの数をどの順番でかければいいのか詳しく教えてほしい、という相談です。

順番が分からなくなるのは、かける数が2つになって「どっちが先?」が増えるからなんです。

順番を声に出して確かめる
  1. 下の一の位と、上の一の位をかける
  2. 下の一の位と、上の十の位をかける
  3. 下の十の位と、上の一の位をかける(1つ左から書く)
  4. 下の十の位と、上の十の位をかける
  5. 2段を足す

「下の数を1つ決めて、上の数に右から全部かける」と覚えると、順番がそろいます。

相談2 大人になっても2桁の掛け算が暗算でできない

社会人で、2桁の掛け算が暗算でできないのはまずいのか、という相談です。閲覧数も多く、気にしている方が多い話題のようです。

結論から言うと、筆算で正しく計算できれば困ることは少ないです。文部科学省の解説でも、暗算でできるとよい「簡単な計算」は、2桁に1桁をかける程度とされています。

暗算をしてみたい時は、分けて考える方法があります。例えば 25×12 は、25×4=100 を3つ分と考えて 300 です。

相談3 筆算をしないで2桁の掛け算はできる?

筆算を書かずに2桁の掛け算をする方法はあるか、という相談です。

できる問題もありますが、すべての問題で筆算なしを目指す必要はありません。小学生のうちは、筆算で正しく解けることを大切にしてみてください。

方法例向いている問題
分けて足す23×45=23×40+23×5一方がきりのいい数に近い時
まとまりで考える25×12=100×325や50がある時
筆算で書くどの問題でも数が大きい時、確実に解きたい時

家で2桁×2桁を練習する時のコツ

2桁×2桁は、九九を4回使い、繰り上がりのメモも何度も出てきます。疲れてくると、どうしても間違いが増えます。

『同じような問題を何十問もやらせた方がいいのかな』と迷う方もいるかもしれません。結論から言うと、1回の練習は数問で十分です。

練習の進め方
  1. 2桁×1桁を1〜2問解いて、手を温める
  2. 繰り上がりのない2桁×2桁を1問解く
  3. 繰り上がりのある2桁×2桁を2問解く
  4. 0がある問題を1問解く
  5. 間違えた問題は、どの段で間違えたかを一緒に見る

間違いは「どの段か」で見つける

2桁×2桁の間違いは、1段目・2段目・足し算のどこかで起きています。

答えだけを見て×をつけるより、段ごとに確かめる方が、子どもも直す所が分かりやすくなります。

苦手な所の見つけ方は、筆算が苦手な子のつまずきと計算ミスを減らすコツでも紹介しています。

答えの見当をつけてから確かめる

ずらし忘れを見つけるのに役立つのが、答えの見積りです。きりのいい数にしてかけると、だいたいの大きさが分かります。

問題見積り正しい答えずらし忘れた時
67×3870×40=28002546536+201=737
243×36240×40=960087481458+729=2187

ずらし忘れると、見積りよりずっと小さい答えになりますよね。

『あれ、2800くらいのはずなのに737?』と気づけたら、それだけで大きな前進です。

割り算の筆算にもつながる

2桁×1桁と2桁×2桁は、4年生で習う2桁で割る割り算の筆算でも使います。

例えば 98÷23 では、商の見当をつけて 23×4=92 を計算し、98−92=6 であまりを出します。かけ算の筆算が安定していると、割り算も進めやすくなるんです。

2桁で割る割り算は、2桁で割る割り算の筆算|仮の商の立て方と直し方で紹介しています。

家で続けやすい形を考える

2桁×2桁でつまずいた時は、2桁×1桁や九九に戻ると解けるようになることがよくあります。

前の単元に気軽に戻れる教材を使うと、家で教える時の負担も軽くなります。

家庭学習教材

筆算でつまずく所を、アニメの授業で見直してみる

すららは、学年にとらわれずにさかのぼって学べる無学年式のオンライン教材です。キャラクターとの対話形式のレクチャーとAI搭載のドリルで、パソコンやタブレットから一人でも進められます。合うかどうかは無料体験で確かめられます。

無料体験すららの無料体験を見てみる

(すららの公式サイトに移動します。最新の内容は公式サイトで確認してください)

方眼ノートにかけ算の筆算を書く子どもの手元と、横に置かれた定規と消しゴム

よくある質問

掛け算の筆算2桁×2桁は何年生で習いますか?

学習指導要領(平成29年告示)では3年生の内容です。2桁や3桁の数に1桁や2桁の数をかける筆算を3年生で習います。習う時期は教科書によって前後することがあります。

2段目をずらさずに書いてしまいます。どうしたらいいですか?

2段目は十の位とのかけ算なので、本当は一の位に0がつく数です。慣れるまでは、2段目の一の位に0を書いてから続ける方法で練習してみてください。学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。

掛け算の筆算で0がある時は、0の段も書くのですか?

かける数の一の位が0の時は、0を右に出して、残りの数でかけてから最後に0をつけると楽です。0の段を書いても答えは同じですが、段が増えるぶん位がずれやすくなります。

3桁×3桁の掛け算の筆算は何段になりますか?

かける数が3桁なので3段です。2段目は1つ左、3段目は2つ左にずらして書き、最後に3段を足します。

掛け算の筆算4年生でも苦手なままです。どこから復習すればいいですか?

間違えた問題を見て、九九・繰り上がり・ずらす・足し算のどこで止まったかを確かめてみてください。九九や2桁×1桁に戻ると解けるようになることもよくあります。

まとめ

2桁×2桁の掛け算の筆算は、2桁×1桁を2回して、2段目を1つ左にずらし、最後に足すだけです。

ずらす理由は、2段目が十の位とのかけ算だからです。0がある時は、0の場所を先に見つけて、0を右に出してから計算すると楽になります。

筆算の全体像は筆算とは?意味・読み方とやり方の基本をやさしく解説にまとめています。

この記事の要点
  • 2桁×2桁は「2回かけて、2段目を左にずらして、足す」の3段階
  • 2段目をずらすのは、十の位とのかけ算で答えが十倍の大きさになるから
  • 3桁×2桁は2段、3桁×3桁は3段。段の数はかける数の桁の数と同じ
  • 0がある時は、0の場所で書き方を変え、最後に0の数を確かめる
  • 間違いは1段目・2段目・足し算のどこかを見つけて直す
筆算ドットコム

筆算ドットコム 編集部

足し算・引き算・掛け算・割り算・小数の筆算のやり方を、学年ごとのつまずきや家庭での教え方、練習の方法までまとめている算数の情報サイトです。 公式サイト

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