割り算の筆算のやり方|たてる・かける・ひく・おろすの順番

方眼ノートに鉛筆で書こうとする子どもの手元と、割り算の筆算のやり方を紹介する記事タイトル

当サイトは文部科学省の学習指導要領や国立教育政策研究所の調査など公的機関の情報と、教材・サービスの公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。教え方や書き方は学校・教科書によって違うことがあるため、学校で習った方法も大切にしてください。記事内には広告を含む場合があります。

わり算の筆算の宿題を前に、『どこに何を書くんだっけ』と親子で止まってしまうこと、ありますよね。

結論から言うと、割り算の筆算は「たてる・かける・ひく・おろす」の4つを、大きい位から順番にくり返すだけです。

この記事では、記号の書き方から、72÷3 を1周ずつ追うやり方、85÷8 のように商に0がたつ問題、つまずきやすい所の見つけ方まで、子どもと一緒に読める言葉でまとめます。

目次

割り算の筆算は「たてる・かける・ひく・おろす」の順番

先に結論

割り算の筆算の手順は「たてる・かける・ひく・おろす」の4つです。大きい位から始めて、おろす数がなくなるまでこの4つをくり返します。最後に残った数があまりです。

足し算やかけ算の筆算は一の位から計算しますよね。

ところが、わり算の筆算だけは大きい位から計算します。ここが、子どもがいちばん戸惑いやすいところなんです。

順番言葉すること
1たてる割られる数の上に、割る数がいくつ入るかの数(商)を書く
2かける割る数×たてた数 を計算して下に書く
3ひく上の数から、かけた答えをひく
4おろす次の位の数を、ひいた答えの横におろす

この4つの言葉は、声に出して唱えながら進めると覚えやすいです。

「たてる、かける、ひく、おろす」とリズムよく言えるようになれば、割り算の筆算の順番はもう迷いません。

筆算の商とは?

商とは、割り算の答えのことです。

72÷3=24 なら、24 が商です。学習指導要領でも、4年生で「和・差・積・商」という言葉を習うことになっています。

あまりがある時は「商が10、あまりが5」のように、商とあまりを分けて言います。

割り算の筆算の記号と書き方

割り算の筆算では、「厂」を左右反対にしたような専用の記号を使います。

どこに何を書くかを先に決めておくと、迷いがぐっと減ります。

書く場所書く数72÷3 の場合
記号の中割られる数72
記号の左の外割る数3
記号の上商(答え)24
記号の下かけた答え・ひいた答え・おろした数6、1、12 など

割り算の筆算の書き順

書き順は、割られる数、記号、割る数の順にすると位がずれにくいです。

書き始めの順番
  1. 割られる数(72)を、マスに1つずつ書く
  2. 割られる数の左に、上から下へ曲がった線を書く
  3. その線の上から、割られる数の上に横線を右へ引く
  4. 記号の左の外に、割る数(3)を書く

記号の書き順は、学校によって少し違うことがあります。学校で習った書き順があれば、それに合わせてください。

72÷3 で見る割り算の筆算のやり方

ここからは、72÷3 を例に、割り算の筆算のやり方を1周ずつ追っていきます。72÷3 は、学習指導要領の解説で例として使われている問題です。

『表で見ると、どこまでが1周なのか分かりやすい』という声も多いので、手順表にしました。

1周目 十の位の計算

手順すること式ノートに書く数
たてる7の中に3がいくつ入るか考える7÷3=2 あまり 1商の十の位(7の真上)に 2
かける割る数とたてた数をかける3×2=67 の真下に 6
ひく7から6をひく7−6=16 の下に 1
おろす一の位の2を下におろす1 と 2 で 121 の右に 2 を書いて 12

1周目が終わると、下に 12 ができます。

2周目 一の位の計算

手順すること式ノートに書く数
たてる12の中に3がいくつ入るか考える12÷3=4商の一の位(2の真上)に 4
かける割る数とたてた数をかける3×4=1212 の真下に 12
ひく12から12をひく12−12=00
おろすおろす数がないので終わり商は 24、あまりなし

答えは 24 です。

割り算の筆算のたてる・かける・ひく・おろすの4つの手順を順番に並べた図解

なぜ大きい位から計算するの?

『どうしてわり算だけ左からなの?』と聞かれると、説明に困りますよね。

実は、これは「分ける」場面で考えると分かりやすいんです。72 を、10のまとまり7個と、ばら2個と考えてみてください。

考え方式分かること
10のまとまり7個を3人で分ける7÷3=2 あまり 11人に10のまとまり2個(20)ずつ、1個あまる
あまった10のまとまり1個をばらにする10+2=12ばらが12個になる
ばら12個を3人で分ける12÷3=41人に4個ずつ
1人分を合わせる20+41人分は24

大きいまとまりから先に分けて、あまったら小さくして次へ回す。これが大きい位から計算する理由です。

学習指導要領の解説でも、72÷3 をこの見方で考えることが、筆算の仕方に結びつくと書かれています。

割り算の筆算のつまずき地図

割り算の筆算は手順が多いので、子どもが止まる場所も人によって違います。

そこで、4つの手順の横に「どこで止まりやすいか」を書いた地図を作りました。お子さんがどこで手を止めているかを見つける時に使ってみてください。

手順止まりやすいところよくある様子声かけの例
たてる商の見当がつかない九九を最初から順に唱えている「3の段で、7をこえない一番大きいのは?」
たてる商を書く位置がずれる十の位の商を一の位に書く「7の真上に書こうね」
かける九九のまちがい答えが割られる数より大きくなる「かけた数が上の数より大きくない?」
ひく引き算のまちがい繰り下がりで混乱する「ここだけ横の式で計算してみよう」
ひくひいた答えが割る数以上商が小さすぎるのに気づかない「残った数に、まだ3が入らない?」
おろすおろし忘れ1周で終わってしまう「上にまだおろしてない数はある?」
おろす商に0をたて忘れる85÷8 の答えを 1 にしてしまう「おろしたら、商もひとつ書こうね」
割り算の筆算で止まりやすいところを手順ごとにまとめた図解

この地図で見ると、つまずきの多くは「たてる」と「おろす」に集まっていることが分かります。

逆に言えば、かける・ひくは、九九と引き算ができていればあまり止まりません。

どこで止まっているかのチェック
  • 3の段・4の段など、割る数の九九をすぐ言えるか
  • 商を割られる数のどの位の真上に書くか分かっているか
  • ひいた答えが割る数より小さくなっているか見ているか
  • おろす数がもう残っていないか、上の数を確かめているか

国立教育政策研究所の令和5年度全国学力・学習状況調査(小学校算数)では、66÷3 の筆算で、商の十の位が何を表すかを選ぶ問題の正答率は47.8%でした。

手順はできていても、「十の位の2は20のこと」という意味まで分かるのは、それだけ難しいということです。わり算がわかりやすいと感じられるよう、ときどき「この2は何を表してる?」と聞いてみてください。

「たてる」で止まる時は九九の表を横に置く

たてるで止まる子は、商の見当をつける時に九九を1の段から全部唱えていることが多いです。

そんな時は、割る数の段だけを紙に書き出して、横に置いて解いてみてください。

割る数が3の時の九九3×1=33×2=63×3=93×4=12
7の中にいくつ入る?入る入る9は7より大きい大きすぎる
たてる数2 をたてる

7 をこえない一番大きい答えは 3×2=6 なので、たてる数は 2 です。

表を見ながら「こえない一番大きいの」を探す練習をくり返すと、だんだん表がなくても見当がつくようになります。

「おろす」で止まる時は、おろした数に印をつける

おろすで止まる子は、どこまでおろしたかが分からなくなっていることがよくあります。

おろした数の上に小さなチェックをつけておくと、「上にまだ印のない数があるか」で、続きがあるかどうかがひと目で分かります。

補足

印のつけ方は学校で決まっていない場合が多いので、家で練習する時の目印として使ってみてください。テストでは、学校の書き方に合わせておくと安心です。

85÷8 の筆算のやり方と、3桁の割り算

次は、商に0がたつ問題と、割られる数が3桁の問題です。どちらも割り算の筆算でよく出る形なので、ここで一緒に練習しておきましょう。

85÷8 は商に0がたつ

手順すること式ノートに書く数
たてる8の中に8がいくつ入るか8÷8=1商の十の位に 1
かける8×18×1=88 の下に 8
ひく8から8をひく8−8=00
おろす一の位の5をおろす0 と 5 で 55
たてる5の中に8がいくつ入るか5÷8 は入らないので 0商の一の位に 0
かける・ひく8×0 をひく8×0=0、5−0=5あまり 5

答えは、商が 10、あまりが 5 です。

よくある失敗

5の中に8は入らないからと、商の一の位に何も書かずに終わってしまうと、答えが「1あまり5」になってしまいます。おろしたら、入らなくても商に0を書く。これを合言葉にしておきましょう。

0をかけて0をひく行は、省いて書く書き方もあります。学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。

613÷5 は同じ4つを3周する

割られる数が3桁になっても、やり方は同じです。4つの手順を3周するだけなんです。

手順すること式ノートに書く数
1周目 たてる・かける・ひく6の中に5がいくつ入るか6÷5=1 あまり 1、5×1=5、6−5=1商の百の位に 1
1周目 おろす十の位の1をおろす1 と 1 で 1111
2周目 たてる・かける・ひく11の中に5がいくつ入るか11÷5=2 あまり 1、5×2=10、11−10=1商の十の位に 2
2周目 おろす一の位の3をおろす1 と 3 で 1313
3周目 たてる・かける・ひく13の中に5がいくつ入るか13÷5=2 あまり 3、5×2=10、13−10=3商の一の位に 2
終わりおろす数がないあまり 3商 122、あまり 3

答えは、商が 122、あまりが 3 です。

2桁÷1桁や3桁÷1桁のいろいろな問題は、2桁÷1桁・3桁÷1桁の割り算の筆算で解き方つきで紹介しています。

256÷4 は百の位に商がたたない

3桁の割り算では、一番上の位に割る数が入らないこともあります。256÷4 がその例です。

『2の中に4は入らないから、もう終わり?』と止まってしまう子もいますよね。でも大丈夫です。その時は、上の2けたをまとめて見ればいいんです。

手順すること式ノートに書く数
見る2の中に4は入らない2÷4 は入らない百の位の上には何も書かない
たてる25の中に4がいくつ入るか25÷4=6 あまり 1商の十の位(5の真上)に 6
かける・ひく4×6 をひく4×6=24、25−24=11
おろす一の位の6をおろす1 と 6 で 1616
たてる・かける・ひく16の中に4がいくつ入るか16÷4=4、4×4=16、16−16=0商の一の位に 4

答えは 64 です。商を5の真上から書き始めるのがポイントです。

ここで百の位の上に0を書く必要はありません。商の一番左に0は書かない、と覚えておきましょう。

割る数が2桁になったら

割る数が2桁になると、「たてる」で商の見当をつけるのが少し難しくなります。

例えば 98÷23 なら、23 を 20 くらいと考えて、9÷2 から商を 4 と見当をつけます。23×4=92、98−92=6 で、商は 4、あまりは 6 です。

補足

見当でたてた商が大きすぎたり小さすぎたりした時の直し方は、2桁で割る割り算の筆算でくわしく紹介しています。

よくある相談:割り算の筆算でつまずく声

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている割り算の筆算についての声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 4年生の割り算の筆算でつまずく子は多いの?

4年生でわり算の筆算につまずく子は多いのか、という相談です。

『うちの子だけかも』と心配になりますよね。でも、わり算の筆算は4つの手順を順番に使うので、どこか1つで止まるのはよくあることなんです。

回答のポイント

つまずいた時は、「わり算の筆算全部が分からない」と考えず、つまずき地図のどこで止まっているかを探してみてください。たてるで止まっているなら九九、おろすで止まっているなら手順の唱え方、と練習することがはっきりします。

家での教え方は筆算の教え方でも紹介しています。

相談2 91÷3 で、0をひく行は書かないといけない?

91÷3 のように商に0がたつ時、おろした1から0をひく行まで書く必要があるのか、という相談です。

91÷3 は、9÷3=3 で十の位に 3、9−9=0、1をおろして 1÷3 は入らないので一の位に 0、あまりは 1 です。商は 30、あまりは 1 になります。

0をかけて0をひく行は、省く書き方もあれば、書く書き方もあります。学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。

大事なのは、商の一の位に0を書き忘れないことです。あまりと0の扱いは、割り算の筆算のあまりと0の扱いでくわしく紹介しています。

相談3 わり算の筆算はなぜ大きい位から?子どもに説明したい

わり算の筆算はなぜ大きい位から計算するのか、子どもに上手に説明したいという相談です。

この記事の72÷3の表のように、お金ではなく「10のまとまり」と「ばら」で分ける話にすると伝わりやすいです。

例えば、こんな会話から始めてみてください。

「10枚入りのカードの束が7つと、ばらが2枚。3人で分けるとどうする?」
「先に束を分けて、あまった束はばらにする!」

束から先に分けるから、大きい位から計算する。この順番の理由が分かると、手順もぐっと覚えやすくなります。

確かめ算と家での練習

割り算の筆算は、答えを出した後に自分で確かめられるのが大きな良さです。

ここが大事なところです

確かめ算は「割る数×商+あまり=割られる数」です。この式に答えを入れて、割られる数に戻れば正解です。

問題答え確かめ算
72÷3243×24=72
85÷810 あまり 58×10+5=85
613÷5122 あまり 35×122+3=613
91÷330 あまり 13×30+1=91
256÷4644×64=256

確かめ算で割られる数に戻らなかったら、どこかの周で間違えたサインです。

その時は、つまずき地図を見ながら、1周目から順に見直してみてください。もう一つ、あまりが割る数より小さいかも見ておくと安心です。

商が小さすぎた時の直し方

ひいた答えが割る数と同じか大きい時は、たてた商が小さすぎます。

例えば 72÷3 の1周目で、うっかり 1 をたててしまったとします。3×1=3、7−3=4 となり、残った 4 の中にまだ 3 が入りますよね。

見るところ様子直し方
かけた答え上の数より大きい商を1減らす
ひいた答え割る数と同じか大きい商を1増やす
ひいた答え割る数より小さいそのまま次へ進む

「ひいたら、割る数より小さいか見る」をくせにしておくと、商の立て直しが自分でできるようになります。

割り算の筆算を簡単にするやり方のコツ

『もっと簡単なやり方はないの?』と思う方もいますよね。

手順そのものは変えられませんが、次のような工夫で、ぐっと楽になります。

家での練習のコツ
  • 始める前に、割る数の九九を1回唱えておく
  • 「たてる・かける・ひく・おろす」を声に出しながら書く
  • 商を書く位置を、割られる数の真上にそろえる
  • 1問解いたら、確かめ算を1つする
  • 最初は2桁÷1桁から、慣れたら3桁÷1桁へ進む

つまずきが続く時は、筆算が苦手な子のつまずきもあわせて読んでみてください。

『九九があやふやなまま4年生になってしまった』という場合もありますよね。そんな時は、学年をさかのぼって九九から練習し直すのも一つの方法です。

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小数の割り算に進んだ時は、小数の割り算の筆算で小数点の扱いを紹介しています。

よくある質問

割り算の筆算の手順を教えてください。

「たてる・かける・ひく・おろす」の4つを、大きい位から順にくり返します。おろす数がなくなったら終わりで、最後に残った数があまりです。

割り算の筆算の商の立て方のコツは?

割る数の九九で、割られる数をこえない一番大きい数を探します。かけた答えが上の数より大きければ商を1減らし、ひいた答えが割る数以上なら商を1増やします。

85÷8 の筆算のやり方は?

8÷8=1 で十の位に1をたて、8−8=0、5をおろします。5の中に8は入らないので一の位に0をたて、あまりは5です。答えは10あまり5になります。

割り算の筆算はなぜ一の位からではなく大きい位から計算するのですか?

大きいまとまりから先に分けて、あまったらばらにして次の位に回すからです。72÷3 なら、10のまとまり7個を先に3つに分けて、あまった1個をばらにして2と合わせ、12を3つに分けます。

割り算の筆算の答えが合っているか、どう確かめればいいですか?

「割る数×商+あまり」を計算して、割られる数になるかを確かめます。85÷8=10あまり5なら、8×10+5=85 なので正解です。

まとめ

割り算の筆算は、「たてる・かける・ひく・おろす」の4つを大きい位からくり返すやり方です。

つまずいた時は、全部が分からないのではなく、4つのうちのどこかで止まっていることがほとんどです。つまずき地図で止まっている場所を見つけて、そこだけ練習してみてください。

この記事の要点
  • 割り算の筆算は「たてる・かける・ひく・おろす」の順番を大きい位からくり返す
  • 商とは割り算の答えのこと。割られる数の真上の位に書く
  • 85÷8 のように、おろした数に割る数が入らない時は商に0をたてる
  • つまずきは「たてる」と「おろす」に集まりやすい
  • 確かめ算は「割る数×商+あまり=割られる数」
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筆算ドットコム 編集部

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