小数の割り算の筆算のやり方|小数点を移す理由とあまりの小数点

方眼ノートと鉛筆が置かれた机と、小数の割り算の筆算のやり方と小数点の位置を紹介する記事タイトル

当サイトは文部科学省の学習指導要領や国立教育政策研究所の調査など公的機関の情報と、教材・サービスの公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。教え方や書き方は学校・教科書によって違うことがあるため、学校で習った方法も大切にしてください。記事内には広告を含む場合があります。

小数の割り算の宿題で、商の数字は合っているのに小数点の位置でバツ。あまりの点まで考えると、『もう、どこに打てばいいの?』と親子で手が止まってしまいますよね。

結論から言うと、割り算の筆算のやり方は、小数点が出てきても「割る数を整数にする」ところから始めるだけです。あとは整数の割り算と同じで、商の点とあまりの点の位置だけを覚えておけば大丈夫です。

この記事では、小数点を移す理由と、あまりの小数点だけ元の位置になるわけを、例題を解きながら見ていきます。

目次

小数の割り算の筆算は「割る数を整数にする」から始まる

先に結論

小数で割る割り算の筆算は、次の3段階で進めます。割る数を整数にする、割られる数の点も同じけた数だけ動かす、商の点は割られる数の新しい点の真上に打つ。あまりの点だけは、割られる数のもとの点の位置に打ちます。

『小数点を動かしていいの?答えが変わっちゃわない?』と不安になりますよね。

実は、割る数と割られる数の両方を同じように10倍、100倍しても、商は変わらないんです。これは4年生で学ぶ割り算のきまりです(小学校学習指導要領 平成29年告示 第4学年 内容の取扱い)。

だから、割る数を整数にして計算しやすくしても大丈夫なんです。

点を移す場所と、点を打つ場所の対比表

筆算割り算の小数点は、4つの場所で考えます。

どの数の点?どうする?理由
割る数右に動かして整数にする整数で割る計算にするため
割られる数割る数と同じけた数だけ右に動かす商が変わらないようにするため
商割られる数の新しい点の真上に打つ動かしたあとの数で割っているから
あまり割られる数のもとの点の真下に打つあまりは元の大きさで答えるから

上の3つは「動かしたあと」で考えて、あまりだけは「動かす前」で考える。ここが大事なところです。

小数の割り算の筆算で、割る数を整数にし、割られる数も同じだけ動かし、商の点を真上に打つ3段階と、あまりの点の位置を示した図解
補足

小数の足し算・引き算・かけ算の小数点の位置は、小数の筆算のやり方|足し算・引き算・かけ算の小数点の位置で紹介しています。かけ算とは点の決め方がちがうので、混ざらないように分けて覚えるのがおすすめです。

小数÷整数の筆算は、商の点を真上に打つだけ

まずは、割る数が整数の場合です。

割る数がもう整数なので、点を動かす必要はありません。割られる数の点の真上に、商の点を打つだけです。

ここが大事なところです

小数÷整数は、整数の割り算と同じ「たてる・かける・ひく・おろす」で進めます。割られる数の小数点の位置まで来たら、商にも点を打ってから次の数をおろします。

7.2÷3 を解いてみよう

手順すること式ノートに書く数
1たてる7÷3 で、一の位に2をたてる商の一の位に2
2かける3×2=67の下に6
3ひく7−6=11
4点を打つ割られる数の点の真上に、商の点を打つ2.
5おろす1/10の位の2をおろす12
6たてる12÷3 で、1/10の位に4をたてる商の1/10の位に4
7かける・ひく3×4=12、12−12=00
答え割り切れた7.2÷3=2.4

小数点の真上に点を打つタイミングは、「点の前の数を割り終わって、点の後ろの数をおろす前」です。

ここを決めておくと、点の打ち忘れがぐっと減りますよ。

1より小さい数を割る時は、一の位に0をたてる

0.84÷4 のように、割られる数が1より小さい時もあります。

手順すること式ノートに書く数
1たてる0は4で割れないので、一の位に0をたてる商の一の位に0
2点を打つ割られる数の点の真上に、商の点を打つ0.
3たてる8÷4 で、1/10の位に2をたてる0.2
4かける・ひく4×2=8、8−8=00
5おろす・たてる4をおろして、4÷4 で1/100の位に1をたてる0.21
6かける・ひく4×1=4、4−4=00
答え割り切れた0.84÷4=0.21

一の位の0を書かないと、「.21」のように点から始まる答えになってしまいます。

「0点いくつ」になる答えは、一の位に0を書く。これをセットで覚えておきましょう。

整数÷整数でも、商が小数になることがある

6÷8 のように、割られる数のほうが小さい割り算もあります。

4年生では、整数を整数で割って商が小数になる場合も学びます(小学校学習指導要領 平成29年告示 第4学年 内容の取扱い)。

手順すること式ノートに書く数
1たてる6は8で割れないので、一の位に0をたてる0
2点と0を書く6を6.0と考えて、商にも点を打つ0.
3たてる60÷8 で、1/10の位に7をたてる0.7
4かける・ひく8×7=56、60−56=44
50をおろす6.00と考えて0をおろす40
6たてる40÷8 で、1/100の位に5をたてる0.75
7かける・ひく8×5=40、40−40=00
答え割り切れた6÷8=0.75

割られる数の後ろに0をつけ足しても、数の大きさは変わりません。だから、割り切れるまで0をおろし続けてよいんです。

小数÷整数のチェック
  • 商の点を、割られる数の点の真上に打ったか
  • 1より小さい答えの時、一の位に0を書いたか
  • 0をつけ足す時、割られる数の後ろにだけつけたか

割り算の筆算の小数点を動かすやり方(小数÷小数)

ここからが、割り算の筆算の小数でいちばん迷うところです。

割る数が小数の時は、まず割る数を整数にしてから計算します。

小数で割る筆算のやり方
  1. 割る数の小数点を右に動かして、整数にする
  2. 割られる数の小数点も、同じけた数だけ右に動かす
  3. 動かした点に、小さな印をつけておく
  4. 商の点は、割られる数の新しい点の真上に打つ
  5. あとは整数の割り算と同じように計算する

4.32÷1.8 を解いてみよう

1.8は、点を1けた右に動かすと18になります。4.32も1けた右に動かして43.2にします。

手順すること式ノートに書く数
1点を動かす1.8を18、4.32を43.2にする43.2÷18
2たてる43÷18 で、一の位に2をたてる商の一の位に2
3かける・ひく18×2=36、43−36=77
4点を打つ43.2の点の真上に、商の点を打つ2.
5おろす2をおろす72
6たてる72÷18 で、1/10の位に4をたてる2.4
7かける・ひく18×4=72、72−72=00
答え割り切れた4.32÷1.8=2.4

確かめてみると、1.8×2.4=4.32 です。元の数に戻るので、答えは合っています。

割られる数のけたが足りない時は0をつけ足す

9.1÷0.35 では、割る数の点を2けた動かして35にします。

9.1も2けた動かしたいのですが、小数点の右には1けたしかありませんよね。

こんな時は、0をつけ足して910にします。910÷35=26 なので、答えは26です。

確かめると、0.35×26=9.1 で、元の数に戻ります。

540÷0.6 のように、整数を小数で割る時

割られる数が整数の時も、考え方は同じです。

540÷0.6 は、割る数を10倍して6にします。割られる数も10倍して5400です。

5400÷6=900 なので、540÷0.6=900 になります。

よくある失敗
  • 割る数の点だけを動かして、割られる数の点を動かし忘れる
  • 割られる数の点を、割る数とちがうけた数だけ動かしてしまう
  • 商の点を、割られる数のもとの点の真上に打ってしまう

この問題は、全国学力・学習状況調査でも出されています。次の章でくわしく紹介しますね。

小数で割る割り算の筆算の手順を、点を動かすところから商の点を打つところまで順番に並べた図解

あまりの小数点は「元の位置」に打つ

小数点の割り算の筆算で、いちばん間違えやすいのがあまりです。

『商の点は動かした位置なのに、あまりは元の位置?』と混乱する声がとても多いんです。

先に結論

あまりの小数点は、割られる数のもとの小数点の真下に打ちます。点を動かして計算したあまりは、元の数より大きくなっているからです。

8.5÷2.3 の商を一の位まで求めて、あまりを出す

割る数と割られる数の点を1けたずつ動かして、85÷23 で計算します。

手順すること式ノートに書く数
1点を動かす2.3を23、8.5を85にする85÷23
2たてる85÷23 で、一の位に3をたてる商は3
3かける23×3=6985の下に69
4ひく85−69=1616
5あまりの点を打つ8.5のもとの点の位置に合わせる1.6
答え8.5÷2.3=3あまり1.6あまり1.6

筆算の一番下は16ですが、もとの8.5の点の真下に点を打つと1.6になります。

確かめ算をすると、2.3×3+1.6=8.5 です。もし「あまり16」と書くと、2.3×3+16=22.9 で、元の数に戻りませんよね。

あまりの書き方確かめ算結果
3あまり162.3×3+16=22.98.5にならない
3あまり1.62.3×3+1.6=8.58.5に戻る

割り算の確かめ算のくわしいやり方は、割り算の筆算のあまりと0の扱い|確かめ算のやり方で紹介しています。

商を1/10の位まで求める時のあまり

5.4÷1.6 の商を、1/10の位まで求めてみます。

点を1けたずつ動かして、54÷16 で計算します。

手順すること式ノートに書く数
1たてる54÷16 で、一の位に3をたてる3
2かける・ひく16×3=48、54−48=66
3点を打つ・0をおろす54を54.0と考えて商に点を打ち、0をおろす60
4たてる60÷16 で、1/10の位に3をたてる3.3
5かける・ひく16×3=48、60−48=1212
6あまりの点を打つ5.4のもとの点の位置に合わせる0.12
答え5.4÷1.6=3.3あまり0.12あまり0.12

0をおろして計算を続けた時は、あまりのけたが小さくなります。

もとの5.4に0をつけ足すと5.40です。その点の真下に合わせると、一番下の12は0.12になります。

確かめると、1.6×3.3+0.12=5.4 で、ちゃんと元に戻りますね。

あまりの小数点のチェック
  • あまりは、割られる数のもとの点の真下に打ったか
  • あまりが割る数より小さいか
  • 割る数×商+あまりで、割られる数に戻るか
小数の割り算のあまりの小数点が正しいかを確かめる3つのチェックをまとめた図解

割り切れない時は、がい数で答える

10÷0.7 のように、いつまでも割り切れない割り算もあります。

こんな時は「1/10の位までのがい数で求めましょう」のように、問題文で答え方が決められています。

点を動かして100÷7 にすると、14.28…と続きます。1/10の位までのがい数にする時は、1つ下の1/100の位まで計算して四捨五入します。

1/100の位は8なので切り上げて、答えは約14.3です。

問題文の言い方どこまで計算する?10÷0.7 の答え
商は一の位まで求め、あまりも出しましょう一の位まで14あまり0.2
1/10の位までのがい数で求めましょう1/100の位まで計算して四捨五入約14.3
上から2けたのがい数で求めましょう上から3けためまで計算して四捨五入約14

一の位まで求めた時のあまりは、100÷7=14あまり2 の「2」を、もとの10の位置に合わせて0.2にします。0.7×14+0.2=10 なので、合っていますね。

小数点の割り算の筆算は5年生で習う

小数点の割り算の筆算を5年生で習う、と聞いたことがある方も多いはずです。

学習指導要領(平成29年告示)で見ると、小数の割り算は2つの学年に分かれています。

学年学習指導要領で習うことこの記事の例
4年生割る数が整数の、小数の割り算(商が小数になる整数の割り算も含む)7.2÷3=2.4、6÷8=0.75
5年生割る数が小数の割り算と、あまりの大きさ4.32÷1.8=2.4、8.5÷2.3=3あまり1.6

割り算の筆算の5年生の内容は、「割る数も小数になる」ところと「あまりの大きさを考える」ところです。

教科書によって扱う時期が前後することがあるので、学校の進み方に合わせて読んでみてください。

全国学力・学習状況調査で見られたつまずき

令和6年度の全国学力・学習状況調査では、小学校算数 4(1) で 540÷0.6 の計算が出されました。

全国(公立)の正答率は70.4%でした。「90」と答えた割合は16.0%でした。割る数の0.6だけを10倍して、540÷6 を計算したと考えられる誤答です(国立教育政策研究所 令和6年度 報告書 小学校算数)。

報告書には、筆算の仕方を形だけで教えるのでなく、540÷0.6 の商が 5400÷6 の商と同じだと分かるようにしよう、と書かれています。

手順を覚えるだけでなく、「なぜ両方を10倍するのか」まで分かっていると、点の動かし忘れが減るんですね。

家での声かけのヒント

「どっちも10倍した?」と一言聞くだけで、割られる数の動かし忘れに気づけることがあります。答えを直すより先に、どの数の点を動かしたかを子ども自身に指さしてもらうのがおすすめです。

例えばこんなやり取りです。

「0.6を6にしたね。540はどうした?」
「あ、540はそのままだった。5400にしないと」

小数の割り算でつまずいた時は、整数の割り算の筆算から見直すと進みやすくなります。基本の流れは割り算の筆算のやり方|たてる・かける・ひく・おろすの順番で確認できます。

家で練習を続けるなら、4年生の小数÷整数まで戻って復習できる、学年にしばられない教材を使うのも1つの方法です。

家庭学習教材

筆算でつまずく所を、アニメの授業で見直してみる

すららは、学年にとらわれずにさかのぼって学べる無学年式のオンライン教材です。キャラクターとの対話形式のレクチャーとAI搭載のドリルで、パソコンやタブレットから一人でも進められます。合うかどうかは無料体験で確かめられます。

無料体験すららの無料体験を見てみる

(すららの公式サイトに移動します。最新の内容は公式サイトで確認してください)

よくある相談:筆算の小数点の割り算で迷う声

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている筆算の小数点の割り算にまつわる声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 小数点の割り算のやり方と、整数までのあまりの出し方が知りたい

小数点のある筆算の割り算のやり方と、商を整数まで求めた時のあまりの出し方を知りたい、という相談です。

やり方は「割る数を整数にする、割られる数も同じだけ動かす、商の点は新しい点の真上」の3段階です。

商を整数まで求めた時のあまりは、割られる数のもとの点の真下に点を打ちます。

回答のポイント

商は「動かしたあと」、あまりは「動かす前」の点で考えます。答えを書いたら、割る数×商+あまりで元の数に戻るかを確かめておくと安心です。

相談2 あまりに小数点をおろす時と、おろさない時の違いが分からない

5年生の小数点の割り算の筆算で、あまりに小数点をおろしてくる時と、おろしてこない時の違いが分からない、という相談です。

『あまりの点は、どこからおろせばいいの?』という迷いですよね。

あまりの点は、割られる数のもとの点からおろします。点を動かさずに計算した時は、もとの点と新しい点が同じなので、そのままおろせばよいんです。

割り算の種類あまりの点
小数÷整数(点を動かしていない)割られる数の点をそのままおろす
小数÷小数(点を動かした)割られる数のもとの点からおろす
整数÷整数あまりは整数なので点はない

相談3 2.8÷0.85 で、商を整数で出した時のあまりは?

高校生の方が、小学校の割り算を忘れてしまい、2.8÷0.85 の商を整数で求めて、あまりを出したいという相談です。

点を2けたずつ動かすと、280÷85 になります。85×3=255、280−255=25 なので、商は3、筆算の一番下は25です。

もとの2.8の点の位置に合わせると、2.80の点の真下なので、あまりは0.25です。

確かめると、0.85×3+0.25=2.8 で、元に戻ります。

大人になってから見直すと、点の位置で迷うのはよくあることです。つまずきやすいところをまとめた筆算が苦手な子のつまずきと計算ミスを減らすコツも参考にしてみてください。

よくある質問

小数の割り算の筆算で、なぜ小数点を動かしてもいいのですか?

割る数と割られる数を同じように10倍、100倍しても、商は変わらないからです。割る数を整数にすると、整数の割り算と同じやり方で計算できるようになります。

商の小数点はどこに打ちますか?

割られる数の、動かしたあとの新しい小数点の真上に打ちます。割る数が整数で点を動かしていない時は、割られる数の点の真上です。

あまりの小数点はどこに打ちますか?

割られる数の、もとの小数点の真下に打ちます。商とちがって、あまりは動かす前の位置で考えるのがポイントです。

割り算の筆算は5年生で何を習いますか?

学習指導要領(平成29年告示)では、割る数が小数の割り算と、そのあまりの大きさを5年生で学びます。割る数が整数の小数の割り算は4年生の内容です。

割られる数の点を動かすけたが足りない時はどうしますか?

割られる数の後ろに0をつけ足して、割る数と同じけた数だけ動かします。0をつけ足しても、数の大きさは変わりません。

まとめ

割り算の筆算のやり方は、小数点があっても「割る数を整数にする」ことから始まります。

割られる数の点も同じだけ動かして、商の点は新しい点の真上に打ちます。あまりの点だけは、割られる数のもとの点の真下です。

答えを書いたら、割る数×商+あまりで元の数に戻るかを確かめてみてください。筆算の基本は筆算とは?意味・読み方とやり方の基本にまとめています。

この記事の要点
  • 割る数を整数にし、割られる数の点も同じけた数だけ右へ動かす
  • 商の点は、割られる数の新しい点の真上に打つ
  • あまりの点は、割られる数のもとの点の真下に打つ
  • けたが足りない時は、割られる数の後ろに0をつけ足す
  • 4年生は割る数が整数、5年生は割る数が小数の割り算を学ぶ
筆算ドットコム

筆算ドットコム 編集部

足し算・引き算・掛け算・割り算・小数の筆算のやり方を、学年ごとのつまずきや家庭での教え方、練習の方法までまとめている算数の情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次