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子どもの宿題を見ていたら、筆算の繰り上がりの1が、自分の習った場所とちがうところに書いてある。『あれ、昔と書き方が変わったの?』と、思わず手が止まった方もいるかもしれませんね。
結論から言うと、筆算の繰り上がりは「次の位の近くに、小さくメモしておく数」です。書く場所は教科書や学校によってちがうことがありますが、どこに書いても答えは同じなんです。
この記事では、足し算と掛け算の繰り上がりの書く場所と、ミスが起きにくい書き方を例題つきで紹介します。
筆算の繰り上がりとは?書く場所の考え方
繰り上がりとは、ある位の計算が10以上になった時に、10のまとまりを1つ上の位に送ることです。送った数を忘れないように、次の位の近くに小さく書いておきます。この小さい数は「補助数字」と呼ばれることもあります。
例えば、7+5=12 になった時は、一の位に2を書いて、10のまとまり1つを十の位に送ります。
この「十の位に送った1」が、繰り上がりの数です。
『小さい1って、書かないとダメなの?』と思う方も多いですよね。
実は、繰り上がりの数は答えそのものではなく、計算を忘れないためのメモなんです。だから、書く場所には少し幅があります。
筆算の補助数字はどこに書く?
筆算の繰り上がりを書く場所は、大きく分けて次の2つです。
| 書く場所 | どこに書く? | 見た目 |
|---|---|---|
| 上に書く | 次の位の、上の数のさらに上 | 計算する数の上に小さい数が乗る |
| 線の下に書く | 横線のすぐ下、答えを書く欄の上のすき間 | 答えの数字の上に小さい数が並ぶ |
どちらも「次の位」の列に書くことは同じです。
学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。
繰り上がる・繰り上がり・繰り上げるのちがい
言葉のちがいで迷う方もいるので、ここで一度まとめておきますね。
| 言葉 | 意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 繰り上がる | 10のまとまりが次の位に送られること | 十の位に1繰り上がる |
| 繰り上がり | 繰り上がることや、送られた数のこと | 繰り上がりの1を書く |
| 繰り上げる | 計算する人が、次の位に数を送ること | 1を十の位に繰り上げる |
どれも同じ場面を、ちがう見方で言っているだけです。

足し算の筆算の繰り上がりの書き方
まずは、2年生で習う足し算の筆算です。
学習指導要領では、2年生で2けたの足し算と引き算の筆算の仕方を学びます(小学校学習指導要領 平成29年告示 第2学年)。
- 一の位をたして、10以上になったら一の位の数だけを答えに書く
- 繰り上がりの1を、十の位の近くに小さく書く
- 十の位をたす時に、小さい1もいっしょにたす
- たし終わった小さい数には、軽く線を引いておく
28+57 を解いてみよう
この28+57 は、学習指導要領の解説で筆算の考え方の例として出てくる問題です。
| 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|
| 繰り上がり | 1 | |
| 2 | 8 | |
| + | 5 | 7 |
| 答え | 8 | 5 |
一の位は 8+7=15 です。5を答えに書いて、1を十の位に繰り上げます。
十の位は 2+5+1=8 です。答えは85になります。
繰り上がりが2回続く時
347+85 のように、繰り上がりが続く問題もあります。
| 百の位 | 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|---|
| 繰り上がり | 1 | 1 | |
| 3 | 4 | 7 | |
| + | 8 | 5 | |
| 答え | 4 | 3 | 2 |
一の位は 7+5=12 で、2を書いて1を繰り上げます。十の位は 4+8+1=13 で、3を書いて1を繰り上げます。
百の位は 3+1=4 です。答えは432になります。
繰り上がりが続くと、どの1をたしたか分からなくなりがちですよね。たし終わった1に軽く線を引くと、たし忘れも二重にたすのも防ぎやすくなります。
- 繰り上がりの1を書いたのに、次の位でたし忘れる
- 繰り上がりの1を、となりではなく2つ先の位に書いてしまう
- 小さい1が大きくなって、答えの数字とまざってしまう
足し算の筆算全体の流れは、足し算の筆算のやり方|繰り上がりの書き方と2年生のつまずきで詳しく紹介しています。
掛け算の筆算の繰り上がりの書き方と書く場所
掛け算の筆算の繰り上がりは、足し算よりも数が大きくなります。
『掛け算の繰り上がりは、どこに書けばいいの?』という質問がとても多いところです。
掛け算の筆算の繰り上がりも、次の位の近くに小さく書きます。ちがうのは、繰り上がりの数が1とは限らないことと、「かけてからたす」順番になることです。
47×6 を解いてみよう
| 百の位 | 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|---|
| 繰り上がり | 4 | ||
| 4 | 7 | ||
| × | 6 | ||
| 答え | 2 | 8 | 2 |
一の位は 7×6=42 です。2を答えに書いて、4を十の位に繰り上げます。
十の位は 4×6=24 に、繰り上がりの4をたして28です。答えは282になります。
ここでよくあるのが、先に4+4=8 をたしてから6をかけてしまうミスです。
「かけてから、たす」。この順番を声に出して確かめてみてください。
2けた×2けたでは、段ごとに繰り上がりが出る
3年生では、2けたの数に2けたの数をかける掛け算の筆算も学びます(小学校学習指導要領 平成29年告示 第3学年)。
例えば 38×27 です。
| 千の位 | 百の位 | 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|---|---|
| 3 | 8 | |||
| × | 2 | 7 | ||
| 38×7 | 2 | 6 | 6 | |
| 38×2 | 7 | 6 | ||
| 答え | 1 | 0 | 2 | 6 |
1段目の 38×7 では、8×7=56 なので6を書いて5を繰り上げます。3×7=21 に5をたして26です。
2段目の 38×2 では、8×2=16 なので6を書いて1を繰り上げます。3×2=6 に1をたして7です。
最後に 266+760 をたして、答えは1026になります。
1段目の繰り上がりの5が残ったままだと、2段目で使ってしまうことがあるんですね。
- 1段目が終わったら、繰り上がりの数に線を引くか消したか
- 2段目の繰り上がりを、1段目の数とまざらない場所に書いたか
- 最後のたし算の繰り上がりも、忘れずにたしたか
割り算の筆算にも繰り上がりは出てくる?
割り算の筆算でも、「かける」の手順で繰り上がりが出ることがあります。
例えば 75÷4 で、35÷4 の商に8をたてた時です。4×8=32 なので、一の位の2と十の位の3をそのまま35の下に書きます。
割り算では、かけた答えを2けたまとめて書くことが多いので、繰り上がりを小さく書かずに計算できることがほとんどです。
『割り算の時も1を書くの?』と迷ったら、かけ算の部分だけ横に書き出して計算してみてください。
| 計算 | 繰り上がりが出る場所 | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 足し算 | 位ごとにたした時 | 次の位の近くに小さく書く |
| 掛け算 | 位ごとにかけた時 | 次の位の近くに小さく書き、かけてからたす |
| 割り算 | 「かける」の手順 | かけた答えをまとめて書くことが多い |
掛け算の筆算全体の流れは、掛け算の筆算のやり方|3年生で習う2桁×1桁からで確認できます。
上に書く・線の下に書く・書かずに覚える、ミスの起きやすさの比べ方
ここでは、繰り上がりの3つの書き方を、どんなミスが起きやすいかで比べてみます。
どれが正解というものではありません。お子さんがどこでつまずいているかを見る時のヒントにしてみてください。
| 書き方 | よいところ | 起きやすいミス | 合いやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 上に小さく書く | 次にたす数のすぐ上にあって見つけやすい | 掛け算で、前の段の繰り上がりとまざる | 足し算、1けたをかける掛け算 |
| 線の下に書く | 答えを書く直前に目に入る | 小さい数を答えの数字と見まちがえる | 足し算、掛け算の最後のたし算 |
| 書かずに覚える | 書く手間がなく、ノートがすっきりする | 途中で忘れる、たし忘れる | 暗算に慣れて、1回の繰り上がりの時 |

「筆算の書き方が変わった?」と感じた時は
『筆算の繰り上がりの書き方が変わった』『昔と違う』と感じる保護者の方は多いです。
ただ、繰り上がりをどこに書くかは、教科書や学校、先生によってちがうことがあります。いつ、何がどう変わったのかは、ひとまとめには言えないんです。
大事なのは、お子さんが学校で習った書き方で、同じ手順を毎回くり返せることです。
筆算のやり方が変わったように見えても、「位ごとに計算して、10のまとまりを次の位に送る」という考え方は同じです。家で教える時は、自分の習った書き方に直すより、学校のノートの書き方に合わせてあげると、子どもが混乱しにくくなります。
例えばこんな声かけがおすすめです。
「学校では、この1はどこに書いてる?」
「線の下に書くって習ったよ」
「じゃあ、家でもそこに書こうね」
小さい数を書くスペースが足りない時は、マス目のあるノートを使うと書きやすくなります。筆算ノートの選び方と書き方|マス目・枠で計算ミスを減らすも参考にしてみてください。
学校の教科書と同じ書き方で家でも練習したい時は、教科書に合わせて作られた教材を使うのも1つの方法です。
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教科書に合わせた問題で、家での練習を続けてみる
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よくある相談:筆算の繰り上がりで迷う声
ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている筆算の繰り上がりにまつわる声から、よく見られるものを要約して紹介します。
相談1 3年生の教科書を見て、掛け算の繰り上がりの書き方が気になった
小学3年生の教科書を見て、掛け算の筆算の繰り上がりの扱いが気になった、という相談です。
自分が習った時と書く場所がちがって見えると、戸惑いますよね。
掛け算の繰り上がりの書き方は、教科書や学校によってちがうことがあります。家では、お子さんが学校で習った書き方に合わせてみてください。
相談2 習い事の教室で、繰り上がりの1を書かないように言われた
1年生の子が筆算を練習していて、教室で繰り上がりの1を書かずに計算するように言われている、という相談です。
『書いたほうがミスが減るのでは?』と心配になる気持ちも分かります。
書かずに覚えるやり方は、たしかにノートがすっきりします。ただ、慣れるまでは途中で数を忘れることもあります。
習っている場所ごとに、書き方の方針がちがうことがあります。迷った時は、教えている先生にその理由を聞いてみるのがいちばんです。学校と教室で書き方がちがう時は、どちらの場面でどの書き方を使うかを、子どもと決めておくと混乱しにくくなります。
相談3 2年生で繰り上がり・繰り下がりの筆算につまずくのは少数派?
2年生で、繰り上がりや繰り下がりのある筆算につまずいている子は少ないのか、という相談です。
どのくらいの子がつまずくかを示した数字は、ここでは紹介できません。ただ、繰り上がりと繰り下がりは、2年生の筆算で多くの子が時間をかけるところです。
つまずいている時は、次の順番で見てみてください。
| 見るところ | こんな時は | 試してみること |
|---|---|---|
| 1けたのたし算 | 7+5 などで指を使う | 10のまとまりを作る練習に戻る |
| 繰り上がりの書き方 | 1を書き忘れる | 書く場所を1つに決める |
| 繰り上がりのたし忘れ | 1を書いたのにたしていない | たした1に線を引く |
繰り下がりについては、引き算の筆算のやり方|繰り下がりと0から借りる時で紹介しています。
よくある質問
筆算の繰り上がりは、上と下のどちらに書くのが正しいですか?
どちらが正しいというものではありません。教科書や学校によって書く場所がちがうことがあるので、学校で習った書き方に合わせてください。
繰り上がりの小さい数は、計算が終わったら消したほうがいいですか?
消さずに軽く線を引いておく方法がおすすめです。たし終わったかどうかが分かり、あとで見直す時にもどこで繰り上がったかが分かります。学校の指示があれば、それに合わせてください。
掛け算の筆算の繰り上がりは、かける前にたしてもいいですか?
かけてからたします。先にたしてしまうと、答えがちがってしまいます。「かけてから、たす」と声に出して確かめるのがおすすめです。
繰り上がりを書かずに計算できるようになったほうがいいですか?
慣れてくると書かなくても計算できる子もいますが、急ぐ必要はありません。書いたほうがミスが少ないうちは、書いて計算して大丈夫です。
まとめ
筆算の繰り上がりは、10のまとまりを次の位に送ったことを忘れないためのメモです。
書く場所は上でも線の下でも、次の位の近くに小さく書けば答えは変わりません。
掛け算は「かけてから、たす」、2けた×2けたは段ごとに繰り上がりを片づける。この2つを押さえておくと、ミスがぐっと減ります。
筆算そのものの意味や基本は、筆算とは?意味・読み方とやり方の基本にまとめています。
- 繰り上がりは、10のまとまりを次の位に送ったことを書いておくメモ
- 書く場所は上か線の下で、学校で習った書き方に合わせればよい
- たし終わった繰り上がりの数には、軽く線を引くとたし忘れを防げる
- 掛け算の繰り上がりは「かけてから、たす」の順番
- 2けた×2けたは、段ごとに繰り上がりがまざらないようにする





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