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宿題の割り算の筆算を横で見ていて、『何回説明しても伝わらない』と困っていませんか。教えるほうも、だんだん声が大きくなってしまいますよね。
結論から言うと、割り算の筆算の教え方で大事なのは「上手に説明すること」より「次は何をする?と聞くこと」です。
この記事では、家で使える声かけの言い換え表と、割り算・引き算・足し算・掛け算の筆算を教える順番を、例題つきで紹介します。
割り算の筆算の教え方は「言う」より「聞く」
親が手順を全部言ってしまうと、子どもは「言われた通りに書く」だけになりがちです。手順の名前だけ先に教えて、あとは「次は何をする?」と聞いてみてください。子どもが自分の口で手順を言えた時が、身についた合図です。
『丁寧に説明しているのに、次の問題になるとまたできない』という方も多いはずです。
実は、説明が長いほど、子どもは聞いているだけで頭を使っていないことがあります。手を動かすのも、次の手順を思い出すのも、子ども自身にしてもらうのが近道なんです。
声かけの言い換え表
そこで、つい言ってしまう「教える言葉」を、「聞く言葉」に言い換えた表を作りました。
| 場面 | つい言ってしまう言葉 | 言い換えた聞き方 |
|---|---|---|
| 手が止まった | 「ここは2をたてるの」 | 「9の中に4はいくつ入りそう?」 |
| 手順を忘れた | 「次はかけるでしょ」 | 「たてたね。次は何をする番だっけ?」 |
| 書く場所がずれた | 「そこじゃない、ここ」 | 「この数は、どの数の真上に書くといい?」 |
| 計算をまちがえた | 「違う、もう一回」 | 「かけた答えが上の数より大きいけど、どうかな?」 |
| おろし忘れた | 「6をおろして」 | 「上に、まだおろしてない数はある?」 |
| 正解した | 「はい正解、次」 | 「どうやって解いたか、教えてくれる?」 |
いきなり全部を言い換えなくて大丈夫です。まずは「次は何をする?」の一言だけ、今日から使ってみてください。

聞いて待つ時間は「10数える」くらい
聞いたあとに、すぐ答えを言いたくなりますよね。
ただ、子どもが考えている時間は、大人が思うより長めです。心の中でゆっくり10数えるくらい待つと、自分で手を動かし始めることが多いですよ。
10数えても止まっている時は、ヒントを1つだけ出します。「九九の4の段を言ってみようか」のように、答えではなく考える入口を渡すのがコツです。
教える前にそろえておきたい3つのこと
割り算の筆算でつまずく時、原因が割り算そのものではないことがよくあります。
先に、土台になっている計算ができているかを確かめておきましょう。
- 九九を、どの段からでも言える
- 2けたから1けたをひく繰り下がりの引き算ができる
- 「十の位」「一の位」という言葉が分かる
- ノートのマス目に、数字を1つずつ書ける
学年で習う順番を知っておく
学習指導要領では、わり算の筆算は4年生で「除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合」の計算の仕方として習います。
3年生では、九九を1回使うわり算と、80÷4 のような簡単な2けた÷1けたの計算の仕方を知るところまでです。教科書によって前後することがあります。
| 学年 | 学習指導要領で筆算の仕方を習う計算 |
|---|---|
| 2年生 | 2けたの足し算・引き算 |
| 3年生 | 3けた・4けたの足し算・引き算、2けたや3けたに1けたや2けたをかける掛け算 |
| 4年生 | 割る数が1けた・2けたで、割られる数が2けた・3けたの割り算 |
順番を見ると、割り算の筆算は、それまでに習った九九・掛け算・引き算を全部使う計算だと分かります。学年ごとの流れは筆算は何年生で習う?足し算から小数まで学年別の流れで詳しく見られます。
九九があやしい時は、そこから
『割り算の筆算を教えているのに、九九で止まっている』ということも多いはずです。
その場合は、割り算の筆算を少しお休みして、九九の練習を先にするほうが近道です。かける段がスムーズに出ると、割り算の「たてる」がぐっと楽になります。
割り算の筆算をわかりやすく説明する順番
ここからは、96÷4 を例に、割り算の筆算をわかりやすく説明する順番を紹介します。手順のやり方そのものは割り算の筆算のやり方|たてる・かける・ひく・おろすの順番にまとめているので、ここでは「親がどう説明するか」に絞ります。
- 手順の名前「たてる・かける・ひく・おろす」を先に一緒に唱える
- 1周目は親が手順の名前だけ言い、子どもが計算して書く
- 2周目は子どもが手順の名前も言いながら進める
- 最後に、掛け算で確かめ算をする
1周目は「十の位」だけを見る
最初に、割られる数の一の位を指で隠してみてください。見えるのは 9 だけになります。
「9の中に4はいくつ入る?」と聞くと、子どもは目の前の数だけに集中できます。
| 手順 | すること | 式 | ノートに書く数 |
|---|---|---|---|
| たてる | 9の中に4がいくつ入るか考える | 9÷4=2 あまり 1 | 9 の真上に 2 |
| かける | 割る数とたてた数をかける | 4×2=8 | 9 の真下に 8 |
| ひく | 9から8をひく | 9−8=1 | 8 の下に 1 |
| おろす | 隠していた6を下におろす | 1 と 6 で 16 | 1 の右に 6 を書いて 16 |
ここで、隠していた指をどけるのがポイントです。「隠れていた6が下りてきたね」と言うと、おろす意味が伝わりやすくなります。
2周目は子どもに手順の名前も言ってもらう
2周目は、親は「次は?」と聞くだけにします。
| 手順 | すること | 式 | ノートに書く数 |
|---|---|---|---|
| たてる | 16の中に4がいくつ入るか考える | 16÷4=4 | 6 の真上に 4 |
| かける | 割る数とたてた数をかける | 4×4=16 | 16 の真下に 16 |
| ひく | 16から16をひく | 16−16=0 | 0 |
| おろす | おろす数がないので終わり | 商は 24、あまりなし |
答えは 24 です。

最後に「24×4 はいくつ?」と聞いて、24×4=96 になることを確かめます。もとの割られる数に戻ると、子どもも「合ってた」と安心できますよ。
「なぜ大きい位から?」と聞かれたら
割り算の筆算の説明で、いちばん困るのがこの質問かもしれません。
そんな時は、「10枚ずつ束ねたカード」で考えてみてください。96 は、10枚の束が9つと、ばらが6枚です。
| 考え方 | 式 | 分かること |
|---|---|---|
| 10枚の束9つを4人で分ける | 9÷4=2 あまり 1 | 1人に束2つ(20枚)ずつ、束が1つあまる |
| あまった束をほどいて、ばらと合わせる | 10+6=16 | ばらが16枚になる |
| ばら16枚を4人で分ける | 16÷4=4 | 1人に4枚ずつ |
| 1人分を合わせる | 20+4 | 1人分は24枚 |
大きいまとまりから分けて、あまったらほどいて次へ回す。筆算の手順はこの動きを短く書いたものなんです。
学習指導要領の解説でも、72÷3 を「10のまとまり7個」とみる考え方が、筆算の仕方に結びつくと書かれています。
割り算の筆算の記号の書き方や、商を書く位置は、学校によって少し違うことがあります。学校で習った書き方があれば、それに合わせてください。
引き算の繰り下がりと足し算・掛け算の筆算の教え方
筆算の引き算の教え方で、多くの家庭がつまずくのは繰り下がりです。
一の位でひけない時に、十の位から「1借りる」動きが、子どもにはなかなか見えないんですよね。
割り算の前に、足し算・掛け算の筆算でつまずきが残っていることもあるので、後半でその教え方もまとめます。
繰り下がりは「10を1つくずす」と言う
52−27 で考えてみます。一の位は 2−7 で、このままではひけません。
ここで「借りる」とだけ言うと、『何を借りたの?』となりがちです。「十の位の10を1つくずして、一の位に回そう」と言い換えてみてください。
| 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|
| 繰り下がり | 4 | 12 |
| 5 | 2 | |
| − | 2 | 7 |
| 答え | 2 | 5 |
- 一の位: 2から7はひけないので、十の位から10を1つもらって 12−7=5
- 十の位: 1つ渡したので 5 が 4 になり、4−2=2
- 答えは 25
最後に 25+27=52 で確かめると、もとの数に戻ります。
0から借りる3けたの引き算
筆算の引き算の教え方で、もう1つの山場が「十の位が0」の時です。403−158 を見てみましょう。
一の位の 3−8 がひけないので、十の位から借りたい。でも十の位は 0 なので、百の位から順番に借りてきます。
| 百の位 | 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|---|
| 繰り下がり | 3 | 9 | 13 |
| 4 | 0 | 3 | |
| − | 1 | 5 | 8 |
| 答え | 2 | 4 | 5 |
- 百の位の4を3にして、十の位を10にする
- 十の位の10を9にして、一の位を13にする
- 一の位 13−8=5、十の位 9−5=4、百の位 3−1=2 を計算する
- 答え 245 に158をたして、403 に戻るか確かめる
245+158=403 になるので、答えは合っています。
このように、筆算の引き算の繰り下がりを教える時は、数字を小さく書き直す場所を決めておくと混乱が減ります。もっと詳しい流れは引き算の筆算のやり方|繰り下がりと0から借りる時を見てみてください。
- 繰り下がったのに、十の位の数を1減らすのを忘れる
- 「大きいほうから小さいほうをひく」と覚えて、2−7を7−2にしてしまう
- 小さく書いた繰り下がりの数を、次の問題まで残してしまう

繰り下がりで止まる時の声かけ
筆算の繰り下がりの教え方でも、「聞く」声かけが使えます。
「一の位、このままでひける?」と聞くと、子どもが自分で「ひけない」と気づけます。気づけたら、「じゃあ、どこからもらってくる?」と次を聞いてみてください。
足し算の筆算は「繰り上がりの1の置き場所」
筆算の教え方で、足し算はいちばん最初に出てくる計算です。47+38 で見てみましょう。
| 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|
| 繰り上がり | 1 | |
| 4 | 7 | |
| + | 3 | 8 |
| 答え | 8 | 5 |
一の位は 7+8=15 です。5 を一の位に書いて、1 を十の位へ繰り上げます。十の位は 4+3+1=8 で、答えは 85 です。
繰り上がりの1を書く場所は、学校によって数字の上だったり線の下だったりします。学校で習った場所に合わせて、いつも同じ所に書くようにしましょう。
掛け算の筆算は「かけて、たす」を分けて言う
掛け算の筆算の教え方では、かける計算と、繰り上がりをたす計算を分けて言うのがコツです。23×4 で見てみます。
| 十の位 | 一の位 | |
|---|---|---|
| 繰り上がり | 1 | |
| 2 | 3 | |
| × | 4 | |
| 答え | 9 | 2 |
- 一の位: 3×4=12。2 を書いて、1 を十の位へ繰り上げる
- 十の位: 2×4=8。そこに繰り上がりの1をたして 9
- 答えは 92
『かけたあとにたすのを忘れる』という子は多いです。「かけた? じゃあ、小さい1はたした?」と、2回に分けて聞いてみてください。
足し算・引き算・掛け算は一の位から、割り算だけは大きい位から計算します。教える時に「割り算だけ逆なんだよ」と一度はっきり伝えておくと、混乱が少なくなります。
親子でぶつからない教え方のコツ
『教えているうちに、親子げんかになってしまう』という声はよく聞きます。
割り算の筆算は手順が長いので、教える側も疲れやすいんです。ここでは、気持ちよく続けるための工夫を紹介します。
| 状況 | 起きやすいこと | やってみたいこと |
|---|---|---|
| 夕食前の空腹時 | 集中が切れて、まちがいが増える | おやつのあとか、夕食後に時間をずらす |
| 1回の量が多い | 後半で手が止まり、親もいらいらする | 1回は3〜5問にして、続きは翌日に |
| まちがいをすぐ指摘 | 子どもが消しゴムばかり使う | 1問解き終わってから、一緒に見直す |
| 同じ説明をくり返す | 言葉が強くなり、子どもが黙る | 説明を変えずに「次は何をする?」と聞く |
| 親が疲れている日 | 声が大きくなる | その日は答え合わせだけにする |
できた所を先に言う
まちがいを見つけると、ついそこを先に言いたくなりますよね。
でも、「たてる・かけるまでは合ってるよ」と、できている所を先に言ってから、まちがいの場所を一緒に探すほうが、子どもは前向きに直せます。
教え方が学校と違う時は
親が子どもの頃に習った書き方と、今の学校の書き方が違うこともあります。
その時は、親のやり方に直さず、学校で習った書き方に合わせてください。「学校ではどう書いた? 見せて」と聞くのも、立派な声かけです。
家で練習を続けるなら
親が毎日つきっきりで教えるのは、正直たいへんですよね。
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よくある相談:割り算の筆算の教え方
ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている筆算の教え方の悩みから、よく見られるものを要約して紹介します。
相談1 3年生に32÷2のような割り算をどう教える?
小学3年生の子どもに、32÷2 や 36÷3 のような割り算の上手な教え方を知りたい、という相談です。
学習指導要領では、3年生は「簡単な場合について、除数が1位数で商が2位数の除法の計算の仕方を知る」ところまでです。筆算の形は4年生で習うので、3年生では「分けて考える」ことを大事にしてみてください。
| 考え方 | 式 | 分かること |
|---|---|---|
| 10の束3つを2人で分ける | 3÷2=1 あまり 1 | 1人に束1つ(10)ずつ、束が1つあまる |
| あまった束とばらを合わせる | 10+2=12 | ばらが12になる |
| ばら12を2人で分ける | 12÷2=6 | 1人に6ずつ |
| 1人分を合わせる | 10+6 | 32÷2=16 |
36÷3 なら、束3つを3人で1つずつ、ばら6つを3人で2つずつ分けて、答えは12です。
3年生のうちは、筆算の形より「10のまとまりから先に分ける」感覚をつかむのが大切です。この感覚があると、4年生で割り算の筆算を習った時に、大きい位から計算する理由がすっと入ります。
相談2 繰り下がりのある引き算の筆算が伝わらない
3年生の子に、繰り下がりのある引き算の筆算を教えているけれど、何度説明しても分からないようだ、という相談です。
3年生では3けた・4けたの引き算を習うので、繰り下がりが2回続く問題も出てきます。まずは2けたの繰り下がりに戻って、1回だけ借りる形を確かめてみてください。
31−13 なら、一の位の 1−3 はひけないので、十の位から10をもらって 11−3=8 です。
十の位は 3 が 2 になって 2−1=1、答えは 18 です。18+13=31 で確かめられます。
- 一の位から計算しているか
- ひけない時に、十の位から10をもらえているか
- もらったあと、十の位を1減らしているか
- 最後に、たし算で確かめているか
相談3 628÷74のような2けたで割る割り算の教え方
628÷74 のような、2けたで割る割り算の上手な教え方を知りたい、という相談です。
2けたで割る時は、割る数を「だいたいの数」にして商の見当をつけます。74 を 70 とみると、62 の中に 7 が 8 つ入るので、仮の商を 8 にします。
| 手順 | すること | 式 | ノートに書く数 |
|---|---|---|---|
| たてる | 74を70とみて、62÷7で見当をつける | 62÷7=8 あまり 6 | 8 の真上に 8 |
| かける | 割る数とたてた数をかける | 74×8=592 | 628 の下に 592 |
| ひく | 628から592をひく | 628−592=36 | 36 |
| おろす | おろす数がないので終わり | 商は 8、あまり 36 |
あまりの 36 が割る数 74 より小さいので、商は 8 で合っています。74×8+36=628 で確かめられます。
仮の商の立て方と、大きすぎた時の直し方は2桁で割る割り算の筆算|仮の商の立て方と直し方で詳しく紹介しています。
よくある質問
割り算の筆算は、何から教えればいいですか?
先に九九と、繰り下がりのある引き算ができるかを確かめてみてください。そのうえで「たてる・かける・ひく・おろす」の4つの言葉を一緒に唱えてから、96÷4 のような割り切れる2けた÷1けたの問題で始めると進めやすいです。
何度説明しても分からない時はどうしたらいいですか?
説明を足すより、説明を減らしてみてください。手順の名前だけを伝えて「次は何をする?」と聞き、子どもに言ってもらうと、どこで止まっているかが見えてきます。止まっている所が九九や引き算なら、そこに戻って練習します。
親が習った書き方と学校の書き方が違います。どちらで教えればいいですか?
学校で習った書き方に合わせてください。繰り上がりや繰り下がりの数を書く場所は、学校によって違うことがあります。いつも同じ場所に書くことのほうが大切です。
1日にどのくらい練習すればいいですか?
決まった量はありませんが、集中が続くうちに終わる量がおすすめです。割り算の筆算なら、1回3〜5問くらいから始めて、余裕があれば増やしていくと続けやすいです。
掛け算の筆算の教え方で気をつけることは?
かける計算と、繰り上がりをたす計算を分けて言うことです。「かけた? 小さい数はたした?」と2回に分けて聞くと、たし忘れが減ります。
まとめ
割り算の筆算の教え方は、親が上手に説明することより、子どもに「次は何をする?」と聞いて、自分の口で手順を言ってもらうことが近道です。
引き算の繰り下がりは「10を1つくずす」、足し算と掛け算は「繰り上がりの数の置き場所」が教える時のポイントでした。つまずきの原因を見つけたい時は筆算が苦手な子のつまずきと計算ミスを減らすコツも参考にしてみてください。
筆算全体の基本は筆算とは?意味・読み方とやり方の基本をやさしく解説にまとめています。
- 割り算の筆算は、手順の名前を教えてから「次は何をする?」と聞く
- 言ってしまう言葉を、聞く言葉に言い換えると子どもが考える
- 引き算の繰り下がりは「10を1つくずす」と言い換える
- 足し算・掛け算は一の位から、割り算だけ大きい位から
- 書き方は学校で習った方法に合わせ、1回の量は少なめにする





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